なぜフェイクの構造がいけないのか?実のところ社会的には何も悪くない。ディズニーランドに行くと岩の塊のような建築があるが、お客様で「これは偽物だ」と文句を言う人はいない。石造だって実によくできている。本物のお城よりよっぽど仕上がりは良い。眉をしかめるのは原理主義の建築家だけである。実はところフェイクはディズニーランドだけではない。街を歩けばフェイクだらけである。
私は木造は木の柱や梁であって欲しいと思うし、石造は本当に石積であって欲しいと思う。鉄骨は鉄骨らしいスパンが長く軽やかな空間構成であって欲しい。だから木造に見えて木造でない建築を見ると拒否反応が出る。ところが長い建築の歴史を振り返ってみると、フェイクの仕上げは横行している。フェイクも歴史を得ると市民権を得て、様式になったり社会遺産に格上げされたりしている。柱に見えて構造とは全く関係ない漆喰仕上げであったり、コンクリートで木造風の垂木を作ったりやりたい放題である。そう言えば日本建築の化粧垂木もフェイク。近代史に出てくる大建築家の作品に登場する木梁には鉄骨が仕込まれていることも知った。妙に細いと思ったらやっぱり。。困った。。。。学生にはどう説明したら良いのだろう。