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二日目

2022/12/2

悪路であると言う。数日前に土砂崩れがあって道は封鎖されていた。それが開通したという。

「よかったよかった」と案内のバスダさんは喜んでいるが、ちょっと心配である。日本であれば土砂崩れはそう簡単に解決しない。

道筋でコンビニに立ち寄る。私がビスケットが欲しいと言ったせいである。あえて「お腹がすいたから」と無邪気な理由を言って車を停めてもらったが、実は非常時対策である。東日本大震災を体験した日本人は、非常時というものを身に染みて知っている。土砂崩れと土砂崩れの間に閉じ込められたら、数日食いつながねばならない。そういう悲壮な想いと無関係にバスダさんは我々をコンビニ案内する。このコンビニが日本とは全く違う。八百屋さんと、米屋さんと、おもちゃ屋さんと、薬局が混じり込んでいる。卵やパンが床に散乱している。並べられているのではない。後で知ったが、この点では奥地の店は整然としていて実にプロフェッショナルであった。インドが全部こうではないので、誤解を解くために記しておく。奥地に行く前の街のはずれ。最後の店である。自分の店ではないのであろう。あんまりやる気はないという感じが滲み出ている。土間に直接置かれたパンを、靴でチョイチョイと押しやっている。まあビニール袋に入っているから大丈夫といえば大丈夫だが、とても買う気にはなれない。山と積まれたおもちゃの間に神様を売っている。象の頭のガネーシャという富の神様である。その隣にはなぜか日本の招き猫がある。我々の車に乗っている、ソーラーパネル付きのマニ車がある。その横には歯ブラシが積み重ねてある。そこでバスダさんは大きなレジ袋二つ分ビスケットを買い込んだ。二日ぐらいはゆうに生き残れそうである。これが後々大変に役にたった。

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