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幼稚園の作り方 その1

2017/9/4

幼稚園を作る上で最も大切なことは何かとよく聞かれる。
大切なことは「そこの幼稚園らしいこと」である。 幼稚園は人のようにそれぞれに相応しい性格を持っている。 その性格が生まれるに至ったのには大抵それなりの理由があるのである。 そもそも幼稚園というのは決して実入りの良いビジネスではない。 子供の為何かをしたいという想い以外に始めるきっかけはありえない。
どの幼稚園にもそれぞれ創立の時の熱い想いがこもっている。 その原点に立ち戻ることが大切である。 私たちは建築家である。 教育者ではない。 私は色々と教育関係の出版物に文章を寄せる癖があるので、 私があたかも教育を作っているかのように思われる方々がいるがそうではない。

園長先生をサーファーとすれば私はサーフボードメーカーだと思うとわかりやすい。 ふじようちえんの加藤園長先生はよく乗りこなされている。 あくまでも乗るのは園長先生なのである。 しかしサーフボードは大切である。 合わないサーフボードでは勝てる選手も勝てない。 それぞれの選手に合わせて丁寧に磨きあげらげたボードは不可欠なのである。 その為にサーフボードメーカーは選手のことをよく知らねばならない。 ふじようちえんに関わり始めてすでに10年。 先生はどう思われているかわからないが、加藤園長先生のことはよくわかっているつもりである。 強い選手には癖がある。 しかしその癖は強さでもある。 想いがあるから癖が出るのである。 世の中は必ずしも本来あるべき姿ではなく、不条理に満ちている。 だからこそ「本当はこうだろう?」という想いを通そうとすれば不条理という障害物をかき分けねばならず、 結果としてその行為が癖と世の中には映る。 癖は強い方が面白い。 それだけ想いがあるのであるから。

2017年8月5日
手塚貴晴

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