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ジャムセイ ガッツァjhamtse gatsal

2022/12/2

Jhamtse Gatsal Children’s Community

素晴らしい世界にいる。ここはインドの奥地のヒマラヤ。ブータンとの国境地帯。中国との紛争を幾度か抱えて来た地域である。ここにジャムセイ ガッツァはある。名称の意味はGarden of love and compassion. 残念ながらこの語源に相当する日本語はない。Compassionを辞書で引くと慈愛とか同情となるがこのJhamtseはその何れともに違う。他者に対して自らの気持ちを一つにし、共に哀しみ喜ぶことを意味する。慈愛あるいは同情という言葉には、「既に安全地帯にいる者が、今苦しんでいる人を助ける」という上から目線が共なう。日本人には発音しにくいので、今後ジャムセイと記す。

ここは105人の子供達が身を寄せる孤児院である。しかしここには哀れさなど微塵もない。子供たちは笑顔に溢れ、生き生きと走り回っている。孤児院につきもののフェンスもセキュリティーもない。皆が喜びを持って暮らす巨大な家族である。そして驚くべきはその教育レベルの高さである。この地域で昨年トップ10人の成績を収めた高校生のうち8人がこの孤児院出身であるという。孤児院の子供は90%が大学に進むという。

写真はクラスの風景である。この先生は黒板を使わない。黒板を使うと子供たちはコピーするだけで、何も身につかないからであるという。子供たちには実際の世の中の課題を与えて、自分で解を求める過程で学ぶようにさせているという。なんのことはない。いわゆる日本が今目指しているProject based learningがここには当たり前にある。気がつくとクラスは外に移動した。部屋の中にいると、自由に情報をとりにいけないという。