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新鮮な鶏肉

2025/5/12

新鮮である。度々日本の活け作りの魚が恐怖をもって欧米で語られるように、ここの店の鶏は活け作りである。生きているから腐る心配がない。丸い網カゴに入れられたニワトリ達は、恐怖の殺戮が行われているテーブルから目を背けて、籠の逆側から精一杯頭を突き出している。その命は風前の灯である。そのすぐ隣では看守の役割のお兄さんが熱心にスマホの画面をいじっている。そう言えば先日私が料理した鶏肉には脚や首がついていた。すでに頭はなかったが、その素材とスープが頭の中で結びついてしまった。以前頭を切り落とされたニワトリが走って逃げているのを見たことがある。かつての日本でも当たり前にあった風景に違いないが、いつの日からか我々がその殺戮を目にしなくなって久しい。我々は命を食べている。だけどやっぱりチキンスープはうまい。ベジタリアンでない私は罪人である。

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