(構造力学を学ぶ学生たちへの覚書)
梁のプロポーションがわかれば、大概の構造が理解できるようになる。木造の梁はスパンの1/18ぐらいの高さ。幅はその1/2ぐらい。コンクリート梁はスパンの1/10。結構大きい。10メートル飛ばすと梁背は1メートルにもなる。幅はその1/2から1/3。コンクリートスラブの厚みは、スパンの1/30。ただし鉄筋の隙間と砂利の大きさのせいで厚さは200以下にならない。鉄骨の場合はスパンの1/25。梁幅は梁背の1/2から1/4。これさえ覚えておけば、初心者でもなんとかなる。プロの場合は高度な技法があるので、アクロバットができる。振動を許容すれば、鉄骨の梁のプロポーションをスパンの1/70にすることもできる。アーチや非展開面の幾何学を使えば、100メートルスパンも可能である。しかし多くの学生はそこまで行く前に躓いてしまう。
東京都市大学は、二年生の授業でスチレンペーパーを使って1/50の構造模型を作ってもらう。その模型は実物と極めて近い挙動をするので学習には都合が良い。スチレンボードではなくスチレンペーパー。スチレンペーパーは弱い。弱いので間違った構造を作ると揺れる。酷いものは自立せず潰れてしまう。1/50で作ると構造模型は実物とよく似た挙動をする。構造模型を作るのは事例ではない。自分の作品である。自分の作品には思い入れがある。思い入れがある作品を作る為ならば頑張れる。工夫もする。

