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構造 学生へ向けての雑文

2025/12/8

嫌われ者の構造力学。

建築学科に入学すると、構造力学というものを教わる。建築の中で最も面白い分野の一つであるはずであるが、殆どの学生に構造力学の授業は毛虫のように嫌われている。細い門型の線を線を描いて丸だの三角だのの上に載せる。その横だの馬のたてがみのような模様をつける。実に色気がない。その今までの人生で見たこともないような図形をもとに、計算式を作る。数字を計算式を入れると、小数点以下が沢山ついた答えが出てくる。ところがせっかく手間暇かけて丁寧に導き出した数字を、安全率と称して3倍したりする。何だ。そんなことなら概算でいいじゃないか。何のために丁寧に計算するんだ。理不尽な怒りが込み上げてくる。計算式も計算しやすいように単純化されすぎて、何故そうなっているのか全くわからない。妙な好奇心は毒である。考え始めると、建築士の試験では時間切れになってします。だから沸々と湧き起こる疑問は押し殺し黙って我慢する。我慢するのだ大五郎。という番組が戦後にあったが、あれである。しかし本当のところ構造は面白いのである。構造がわかると空間構成が全く変わってくる。音楽の世界にはコードというものがある。コードがわからなければ、自由に音楽を演奏することはできない。建築の世界も同じである。

構造はデザイン

構造は我々にとって最も重要なデザイン要素である。構造のデザインさえしっかりしていれば、我々のデザインの半分以上は終わったようなものである。逆を言えば、構造が上手く行かないと、どんなに頑張ってもデザインは良くならない。前述したように、物事の形には理由がある。理由なき形には不自然さが伴う。何故かわからないが、人はそれを感じる力を持っている。いくら巧妙に取り繕うと不自然な形は見破られ偽物となる。時空を超えて生き残った名建築は、その自然な成り立ちを備えている。設計者が何をしようとこの摂理は変わらない。その摂理をすでにこの世に存在している。それを探求するのが建築家の仕事である。

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