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1/1000

2026/3/29

人類である限り遺伝子の違いは1/1000に過ぎないという。ということは地球上の誰であろうとも、99.9%同じ遺伝子を保有している。犬には多様性がある。セントバーナードとチワワは犬であるが、大きさも姿も全く違う。人間にはそういう差異は生じていない。全ての人間は家族なのである。それにも関わらず、人は人種という些細な1/1000にも満たない差異を根拠に殺し合いをする。 

その意味することは、人は知識だけで判断するところまで進化していないからである。ホモサピエンスという種は、この惑星を征服する過程で、競争の原理を武器としてきた。地球がまだ人類にとって無限に広かった時代は、その競争という原理は有効であった。しかし、今や世界の何処へ行っても、人の痕跡のない未開の地など存在しない。種の優位性の為に争う必要など無いのに、ホモサピエンスは競争をやめない。 

知識を超えるもの。人の心を確実に動かす手段とは何か。建築はその力を持っている。建築は壁を作ることで、弱い人という種を自然から守ってきた。その壁が人と人との間にもそそり立ち、プライバシーという概念が生まれた。その行き着いた先が現代の壁で細かく仕切られた建築である。その建築に中で育った子供達は、その仕切りを当然のものとして受け入れる。お互いが見えないことが当たり前になる。小さな家族の中にも壁ができる。それを現代社会の子育ての概念では自立という。 

しかし自立とは何か。人はそもそも一人では生きられない動物である。人という種も他の生物に依存しなかれば生き延びることはできない。人を他の人と分けるのではなくつなげる建築とは何か。人を自然から守るだけではなく、つなげる建築とは何か。考えて行きたい。 

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