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七日目 ガソリンと歯磨き

2022/12/3

霧の中に朧げに現れた崖っぷちのガソリンスタンド。峠道で周りには人家もない。流石に誰もいない。と思っていたら、運転手がどこからともなく店員を連れてきた。しきりに歯磨きをしている。少々不機嫌である。6:45。当然である。それでもノズルを掴んでガソリンを入れ始めた。しかし歯磨きの手は緩めない。彼にとって歯磨きはとても大切なんだと思う。多分お母さんから「歯磨きはしっかりしなさい」と言われて育ったんだろうとおもう。多分立派な歯なんだろうけど見れなかった。ガソリンが入れ終わっても、お金をもらう時もしっかり歯磨きは続いていた。仕事が終わるとゴシゴシ歯磨きしながら道の向こうに消えていたった。

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