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うらごし

2022/1/24

私はうらごしを良くする。裏漉である。料理をしない人にはあまり縁がないかもしれないが、私の料理のプロセスでは非常に大切である。これは建築における肌理(きめ)の概念に近い。仕上げで建築の質に差が出るように、料理の舌触りが全く変わる。裏漉しとは読んで字の如く裏で漉す。昔であればワッパに馬の毛が張られていた。残念ながら馬はその辺にうろうろしていない。昔はどうしたのだろう。しっぽを寒々と刈られた馬が、俺もやられたと嘆きながらウロいついていたのだろうか。今の製品は金網である。ステンレスのワッパに極細目のメッシュが入っている。

先程書いたカボチャのスープもこれで変わってくる。絹のように滑らかになる。じゃがいものポタージュも玉ねぎのスープも。金団は当然。手間を惜しまない。これはプロの基本。あ、私は料理のプロではないのでお間違えなく。一応建築家です。

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